希望ヶ丘の人びと
重松清の「希望ヶ丘の人びと」を読んで不覚にも途中からボロボロ泣いてしまった。郡山ー東京間の列車の中で読んでいたので、周りには乗客がたくさん居たがそんなことは構わず、ともかく泣けてくるので。
たしか4年ほど前に出された「その日のまえに」、奥さんがガンで亡くなる前に故郷の町を家族で訪れるというようなストーリーだった。ちょうど家内を亡くした後だったので、身につまされて読んだ記憶がある。
その後日談というので、今回「希望ヶ丘の人びと」を読んだ。東京での仕事を辞め、家族と一緒に奥さんの育った町に引っ越して受験塾を経営し、奥さんの学校時代の友達と知り合い、さまざまなことが起きてと、なかなか面白い筋立てになっている。
だが、泣けたのはそんなところではない。物語の最後のほうで、副主人公のエーちゃん、なかなか魅力のある人物に描けている、が亡くなった奥さんのことを「幸せだったんだよ、あんなにいい子供をのこしたんだ、幸せな人生に決まってるだろう」と語ったこと。「あの子たち(主人公と奥さんの子供たち、が希望だったんだ、希望のある人生は...幸せなんだよ、絶対に。」
頭の中では、家内が短いながらもせいいっぱい生き抜いた人生を送り、幸せだったろうと自分に言い聞かせてきたが、必ずしも自分で納得しきれたわけではなかった。友人達にも、立派な息子を残したのだから良い人生だったと説明していながら、自分では腑に落ちていなかったのが現実のところだった。
だが、この本を読んで、本当にストンと納得できた。二人の息子は立派にそれぞれの人生を歩み始めている。自分達の家族も出来つつある。親としてはもう見守るしかない。それが地上からか、天国からかの違いだけだ。見守るということが今の幸せなのだ。
そういうことを一気に感じて涙が止まらなくなったということ、家内が亡くなって4年経ち、ようやく気持ちの整理がついたのだろう。この本がその引き金になったことを感謝したい。
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